活躍めざましい地元選手を毎月2名ずつレポート!
SGやG1で戦っている有名選手&ベテラン選手と
メキメキ力をつけてきている若手選手をそれぞれピックアップします。
今回は赤岩善生をおっかけスターに指名。妥協のなさやそのレーススタイルから「闘将」の異名を持つ彼は、GⅠ6Vの記録だけでなくSGの優勝も過去に飾っており、まさに闘将の名に恥じない経歴を持つ。そんな赤岩だが、5月に行われた多摩川の一般戦では優勝を収めてみせた。なんと2日目以降に出走したすべてのレースを制し、7連勝を収めるという強烈な結果に。今回はその7連勝目となる優勝戦から、赤岩の力の片鱗を見てみたい。
赤岩は優勝戦を1号艇で出走。2号艇には4月の住之江GⅠ周年を制した上條暢嵩が、4号艇にはGⅠ優勝数で赤岩と並ぶ重成一人が構えており、一般戦とはいえ油断は一切できない状況だ。レースは枠なりでスタート。運命の1周1マーク、4号艇・重成が速攻をしかけ、2号艇・上條が内から差そうとするが、赤岩は首位を奪いに来る両者をものともせず一番にバックストレッチへ。赤岩は驚異的な伸び足で後続の艇を振り切り、あっという間に首位を独占してみせた。その後も、上條・重成による怒涛の猛追が続いたが、赤岩の勝利は最後まで揺らぐことなくレースは124で決着。一般戦とは思えない高レベルな戦いを制して7連勝目を決め、見事に闘将たるゆえんを見せつけた。
先日、赤岩たち愛知支部の82期選手が当地の一般競走でデビュー以来の初集結を果たした。厳格な雰囲気とは裏腹に仲間たちと肩を組んで笑みを浮かべる彼は、愛知支部の中で通算2500勝達成の大台に現在最も近い選手でもあり、グレードレースをはじめとして今後の活躍が楽しみなレーサーの一人だ。この先も闘将の覇道の行く先に注目していきたい。
今回のおっかけフレッシュスターは前田滉。前田3兄弟のことはこのおっかけレーサーでもしばしば紹介してきたが、滉はその三男にあたる。なんと彼らは若手ながら全員A1級を経験しているという凄腕の選手たちだ。そんな背景を持つ前田だが、5月は一般戦を2連続で優出。尼崎では準Vの大健闘、続く三国では予選を好走で駆け抜け最後にはVを飾る大活躍をしてみせた。今回は尼崎での結果を紹介しつつ、三国での活躍を振り返りたい。
尼崎での前田は、序盤から予選得点率最上位を常にキープ。モーターの機力も相まって、1号艇から出走した準優勝戦では手堅く1着を手にした。翌日の優勝戦は2号艇で出走。モーターの機力も生かしていきたいところだったが、予選得点率1位を争った1号艇・藤岡俊介に逃げられ、後塵を拝する形に。だが、背後に迫る6号艇・常住蓮には2番手を最後まで譲らず126でレースは決着。惜しくもVを逃したが、前田の実力の高さがうかがえるシリーズであったといえる。
一方の三国では、予選の前半戦でコースを問わず舟券に絡む着順をもぎとっていき、安定感を披露。後半戦に差し掛かる3日目は少し不調気味だったが、それでも翌日の準優勝戦は、4コースからの綺麗な差しで1着を決めて優勝戦への切符を勝ち取ってみせた。そうして迎えた優勝戦を前田は2号艇から出走。A1級選手は前田のほかに5号艇・江口晃生しかおらず、なんとかA1級としての威厳と実力を見せつけたいところ。レースは152/436でスタート。コンマ08の好スタートを決めた前田はそのまま1周1マークを外からまくって真っ先にバックストレッチに突入、そのまま首位を独占してレースの主導権を握る。猛追をかける3号艇・天野晶夫を置き去りにし、1着でゴールイン。レースは235で決着し、見事に前田は勝利の美酒を味わうことができた。
前田は今回の三国での優勝で9回目のVを獲得し、一区切りとなる10Vに王手をかけた状態となった。選手歴も浅く、ルーキーという印象はまだ拭えないが、それでも着実に実力を伸ばしている。このまま兄弟にはもちろんのこと、他のA1級選手にも負けないくらいの実力をつけて、大舞台での活躍を期待したい。